2010年代って何だったん?

最悪な時代だった 2010年代

 

2010年代を振り返れば最悪な時代だった。2000年代を謳歌してきた世代として、2010年代はすべてをぶち壊しにされた地獄そのもので、こんな時代は繰り返してはいけないと思い、このブログを開設した。

私が2010年代という時代に違和感を抱いたのは2013年頃だった。まだ2010年代も始まって3年という年だったが、明らかに2000年代とは違う時代が確立されつつあるという感覚があった。社会全体がギスギスしていて、その中心にはメディアとネットがあって、ネットとリアルの垣根が無くなっているように感じたのだ。日本のカルチャーも2013年頃になるとどんどん低俗化していき、それが日本経済の低迷にも通じているのだと痛感した。

2010年代という時代は前半と後半で大きく二分できる。

これまでの「失われた20年」・2000年代後半のリーマンショック東日本大震災という日本を暗くした要因に加え、ネットの普及とユーザーリテラシーのなさ、近隣諸国との関係悪化とナショナリズム、メディアの低俗化、憎悪と差別、これらが煮えたぎったのが2013年頃も含まれる2010年代前半だ。2010年頃から2016年頃までは本当に日本中がギスギスしていて、誰もが何かを見下さないといけないという雰囲気があって、それがネットでさらに熟成されている感じがあった。

2016年頃になると憎悪社会が問題化して、2010年代前半のような露骨な憎悪というのは減っていった。欧米からポリティカル・コレクトネス運動が盛んになると、それが日本にも持ち込まれるようになったのも大きい。ところが、それも行き過ぎると既存の文化や世代を全否定するという流れも発生して、世の中の全ての価値が逆になってしまった。ネットイジメも活発になって現在に至る。

 

ブログ開設にあたって

問題はブログ開設の時期だった。

2015年頃、世の中があまりに殺伐としていて今しかないと思っていたのだが、もう少し様子を見ようと機が熟すのを待った。違和感を抱いた2010年代前半には、「ひどいのは今だけだろう、もう少し待てばまた2000年代の頃に戻れる」と考えていたのに、むしろ物事は逆に進んでいった。それがあったから、2010年代という時代を"ロムる"ことにした。

それからの数年で社会全体の憎悪はマシになっていったのに対して、2000年代といった過去の文化を懐かしまずに全否定する風潮になっていった。つい最近だと思っていた2000年代も遠くなっていった。その頃には日本どころか欧米までも悪しき「2010年代文化」に染まって行って、完全に2000年代は終わったのだと改めて実感したのだ。「2010年代文化」も確立したということでブログの開設を決めた。

 

…はずだった。2010年さえ10年前になった2020年、新型コロナウィルスが全世界に蔓延して、あらゆる生活と価値観が一変してしまった。これは全く予想のできなかったことで、何年もかけて構想を練って推敲してきたブログの下書きは内容的に変更せざるを得なくなり、これは困ったことになってしまった。再び何か月もかけて社会を"ロムる"ことにした。

とはいえ、社会は変わってしまったものの、全てが変わったわけではない。コロナをめぐる憎悪や差別、芸能人への誹謗中傷、ブームの同調圧力は2010年代から地続きで普遍の問題だ。このブログはそんなコロナ前から悪質だった社会に一石を投じるものでありたい。

 

このブログでは、2010年代という時代が抱えていた問題を様々な方面からアプローチして指摘していき、2000年代の文化も紹介していきたい。現在進行中の時事問題も積極的に取り上げ、時にはブログの趣旨とはすこし離れた話題もするだろう。